ドルコスト平均法

一定額で定期的に長期間購入し続ける「ドルコスト平均法」だが、上げ相場では一括で購入する方が有利であるウィキペディアには書かれている。
確かに一括購入は価格が倍になれば、100%利益という事になる。(手数料や配当、複利など細かい事は抜き、以下同様)
それが、ドルコスト平均法では相場が上昇するにつれ、段々と高い価格で購入した事になり、その分トータル利益は少なくなる。
逆に下げ相場では一括購入と比べるとドルコスト平均法の方が損失が少なくなるのだ。
更に下げ相場が底を打って上昇に転じた時には一括購入では相場が元の水準に戻るまで損失は解消されないが、ドルコスト平均法は半分とかの期間で損失が解消されるのである。
では、ドルコスト平均法は上げ相場ではやめた方が良いのかと言うと、一括購入と比べるとそれよりは不利で利益は少ないが、買わないで何も増えないよりかは当然良いと言う事になる。
幸運にドルコスト平均法での買い始めが底値でその後が上げ相場なら、どのタイミングで手仕舞いしても利益が出るのは言うまでもない。
そもそも将来の相場は実際どうなるのかわからないのであるからこそ、長期投資ではドルコスト平均法が無難と言えるのではないか。
このようにドルコスト平均法は良い投資方法だが、出口戦略には課題が残る。
さっきの話じゃないが、底値でドルコスト平均法を始めた場合は良いが、始めてから下げ相場に見舞われた場合は、底値を打って上げ相場に転ずる景気サイクルまで投資を継続せねばならない。
そうなると、目標としているリタイヤの時期と一致するかどうか。(ちなみにiDeCoの積立上限年齢は延長されたとは言え65歳)
また、長期投資中の突発的なアクシデントも問題となる。
失業や病気などによる休業で収入が途絶えたり減少して、投資の継続が出来なくなる事態だ。
このようなリスクを緩和するには、ドルコスト平均法での投資ウェイトを多くし過ぎず、他のより安全な積立などを併用するという事になるだろう。