ドル円160円は序の口。もっと円安に ! ?

ジム・ロジャース氏とワタミ会長兼社長CEOの渡邉美樹氏が日米株式大暴落について対談を行ったが、円安についても触れており、その相場価格では衝撃的な数字が出ている。

【ロジャーズ】現在の円の価値は、50年ぶりの低水準になっています。では、50年前の日本はどんな国だったでしょうか。今とはまったく違う国でした。出生率も現在より高かったですし、国としてはもっともっと発展していました。今は借金が大きく増えたうえに、出生率が減っています。そう考えると、さらに円安になるのは明らかではないでしょうか。50年前の1970~80年には、円の相場は1ドル175~200円でした。同じ水準まで円安が進むことは大いにあり得ると考えられます。今は当時より人口動態が悪く、借金が多いので、50年前よりさらに円安に動く可能性は十分あります。

■1ドル=360円まで円安進行。通貨安と借金増で破綻危機に

【渡邉】日本でバブルが崩壊して以降の約30年で日銀がお金を印刷した量をアメリカと比較すると、日本は実質的に6倍になっています。

 バブル当時の為替相場は1ドル=100円程度でしたから、ほかの要因をすべて除いて極端な話をすれば、今は「1ドル=600円になっていてもおかしくはない」と言えます。日本は約30年前にバブルが崩壊して、そこから経済成長をしなくなったのですが、それでもお金の使い方を変えませんでした。日本は戦後ずっと同じようなお金の使い方をしてきたのです。

 それどころか少子高齢化が進んだため、それを解決するために、より多くのお金を印刷してきました。政治家は特別に「たくさんのお金を刷ろう」と考えたわけではありません。経済成長していないにもかかわらず、何も考えずに今までと同じサービスを続けてきた結果、お金の量が莫大になってしまったのです。それが今の日本の実態です。

 そう考えると、円安は少なくとも以前の1ドル=360円まで戻るだろうというのが私の考え方です。円安にはメリット・デメリットがありますが、基本的に通貨の強さは国力そのものですから、日本にとっては円高が必要だと思います。

【ロジャーズ】中銀が何をしても円安のトレンドは変わりません。私は、この先、円高になるイメージはまったく持っていません。円がいまだにこの水準であることにむしろ驚いています。もっともっと円安になるはずです。

撮影=Takao Hara(Luxpho)

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