株価暴落時の資産防衛

投資信託の積立資産などを株価暴落からどう守るか。
暴落している株価と逆相関のヘッジの活用を考えてみた。

拙者は一定額積立を新NISAで行っているが、新NISAの範疇ではヘッジ用の金融商品の候補がない。(ゴールドは後術の理由で対象外)

そうなると、ヘッジは新NISAとは別枠で行う事になり、利益に対しては課税となるが、有事の対応なのでそこは目を瞑る事とする。
~2024.2.23追記~
暴落の数値的目安に関する記事を見つけたので追加(一番下

ヘッジ用金融商品は何が良いか
拙者は日本物と海外物の両方なので、それぞれの対応となる。
但し、海外物は世界的な金融危機の想定のみで、特定の国のみの暴落には対応が難しい。と言うのも、拙者は現状、海外物はインドの割合が多いので、そのインドのみの暴落の場合は、ヘッジする金融商品が現状では見当たらない為、対応不可能である。(そうなると、海外物はインドをやめて、アメリカ主体のファンドが良いという事になるのだが)
まずはSBI証券の投資信託 パワーサーチでファンドを探してみると
SBI証券 > 投信 > ブル・ベア > 日本
SBI 日本株3.8ベアII
SBI証券 > 投信 > ブル・ベア > 北米
大和-S&P500 3倍ベア

これらがあるが、ファンド(ETFを除く)の場合、購入時やヘッジを解消する時の売却時にタイムラグがあり使いづらい。
また、日経平均TOPIXETFなら無期限信用売りができるようだが、流動性リスク
・乖離するリスク・リンク債使用の場合の発行体リスクがある。

そうなると指数先物が総合的に良さそうだ。(拙者は指数先物の取引経験あり)
その中でも決済期限がなく、取引時間が長い「くりっく株365 (CFD)」を選択する。
<2024.2.12訂正・追記>
決済期限が無いのは「店頭CFD」であり、取引所CFDである「くりっく株365」は約15ヶ月間の期限付きとなるので、それ以上保有するには重複の3ヶ月間でロールオーバーする必要がある。また、海外物株式の指数CFDについては、「店頭CFD」は該当国の通貨建てだが、取引所CFDは円建てなので、暴落時に為替相場まで気にしなくても済む。

日本物は日経平均TOPIXだが、SBI証券では「日経225リセット付証拠金取引」がある。
海外物は、CFDではS&P500はないが「NASDAQ-100リセット付証拠金取引」や「NYダウリセット付証拠金取引」がある。
しかもこれらは、1枚の取引単位が10倍なので、積立金額が高額な場合でも、レバレッジ効果でヘッジ用資金の融通がしやすい
但し、一方的な下げ相場でも乱高下による一時的な上昇があっての証拠金不足には注意が必要だ。(これらの証拠金取引の事を以下では先物」という)CFDを含め「先物」という)←2024.2.12訂正

実際の手順
1.暴落が始まったら、まずは積立設定を解除し、既に積立済のファンドは売却せずに、積立額に見合った先物を「売」で購入し、まずは出血を止める。

2.暴落が一時的と判断すれば、先物を売却して積立設定を元に戻しておしまいであるが、暴落が続くようであれば、先物を持ったまま積立済ファンドを売却する。

3.「2」で積立済ファンド売却の場合は、株価暴落の底値を狙わず、早めに先物も売却する。(最低限、積立済ファンドの売却約定までは先物を保持)

4.暴落が止まったと判断したら、今後上がりそうなファンドをよく見極めて、仕切り直しで定額積立を再開する。

※「1」で先物の証拠金が足りなければ、用意できる分だけで先物を「売」で購入し「2」に移行。暴落が続くようであれば積立済ファンドの一部を売却し、その資金で先物を「売」で追加購入する。
~2024.2.19追記~
この手順は非上場ファンドを想定しているが、CFD(取引所/店頭)やETF(上場投信)を含めた手順を2024.2.16の投稿で簡潔に触れています。

金銀について
安全資産としての「金」はどうだろうか?

リーマンショックやコロナ禍での世界的な株価下落時に「金」もしばらくは一緒に下げ、途中で反転した経緯がある。
そうなると、「金」でヘッジしようとすると様子見期間が余分にかかり、初動が遅れる可能性が大きい

では、銀はどうだろうか?
金に離された価格差を詰めようと、銀が追走しているような感じもあるが、金と比較すると銀の方が圧倒的に工業用の用途が大きく、投資としてのウエートはまだまだ小さい。
只、近年は金が高騰し過ぎ、割安感がある銀が投資領域で追い上げていて、以前よりかは工業用途のウエートは下がっていると思われる。
リーマンショック時は、工業用途が多いせいか大きく下げた実績がある。
下げた後は金同様に上昇となったわけだが、大きく下げる途中ではいつまで下がるか分からず手が出しにくい厄介な性質だ。
また、工業用途が多いせいか短期的な値動きが金より激しいのも難点だ。
何れにしても、銀も金同様、有事のヘッジ用には難しい。

・ これまで銀は一時的な買い占めやシルバーショック、銀需要の増大などにより価格上昇したことがある
金利の上昇や景気後退により銀価格が下落する可能性がある
・ 金価格の上昇やインフレの進行により銀価格が上昇する可能性がある
・ 米政策金利や世界経済、インフレの動向が銀価格に影響を及ぼす
・ 銀取引で短期間に利益を上げたいならレバレッジを利用できるCFD取引がおすすめ

“数年単位”で、消費が一定水準を維持し、生産が減少傾向を維持する可能性がある点は、銀相場を今後、長期的に押し上げる要因になるとみられます。

↑ 少し古い記事だが。。

出典:社会実情データ図録 > 田中貴金属工業(株)

ちになみに、新NISAで買える金は2023年11月27日時点の情報がこちらのサイトにあった。

出典:トウシル(楽天証券

~2024.2.23追記~
暴落の数値的目安

問題はどのような状況を暴落と見なすかですが、この点も皆さんは連載2回目の記事で既に学びました。VIX指数40以上、Fear & Greed Index 10以下、日経平均PBR1倍以下、マーケット全体がこのような状況にある時には暴落している状態にあると呼んで差し支えないでしょう。