信託報酬が高いファンドが低いファンドより稼げる?

同じベンチマークのインデックスファンドであれば、信託報酬が低いに越したことはないが、信託報酬が高いファンドの方がトータルリターンが高い場合もある。(関連記事:超低報酬インデックスファンド続々登場 ! !

▼まずはTOPIXベンチマークのファンドでトータルリターン比較
三井住友DS-大和住銀DC国内株式ファンド 信託報酬:1.045%

  1ヵ月 6ヵ月 1年 3年 5年 設定来
本ファンド -0.80% 8.47% 32.92% 19.08% 16.24% 150.08%
カテゴリ平均 -1.42% 7.60% 32.86% 19.43% 13.22% --

三菱UFJ-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 信託報酬:0.143%以内

  1ヵ月 6ヵ月 1年 3年 5年 設定来
本ファンド -0.23% 4.49% 28.11% 11.99% 12.19% 78.17%
カテゴリ平均 -0.28% 3.86% 28.06% 12.00% 12.32% --

三井住友の方はベンチマークを上回る投資成果を目指します」というファンドであり、その謳い文句の通り三菱UFJのファンドのトータルリターンを上回っている。(設定来は期間がそれぞれ違うので無視)
但し、1ヵ月のリターンでは損失も三井住友が上回っている

▼次にMSCIコクサイ・インデックス系ではどうか?(為替ヘッジ有)
損保ジャパン-TCW外国株式ファンドAコース(為替ヘッジあり) 信託報酬:2.09%

  1ヵ月 6ヵ月 1年 3年 5年 設定来
本ファンド 4.52% 5.14% 14.58% 4.00% 10.23% 45.22%
カテゴリ平均 5.98% 6.47% 20.10% 3.55% 10.08% --

日興-インデックスファンド海外株式(ヘッジあり)  信託報酬:0.924%

  1ヵ月 6ヵ月 1年 3年 5年 設定来
本ファンド 4.49% 5.07% 15.50% 5.39% 10.76% 196.30%
カテゴリ平均 3.91% 4.04% 11.88% 3.22% 9.76% --

日興-インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用) 信託報酬:0.176%

  1ヵ月 6ヵ月 1年 3年 5年 設定来
本ファンド 4.55% 5.45% 16.34% 6.15% 11.53% 323.55%
カテゴリ平均 3.91% 4.04% 11.88% 3.22% 9.76% --

損保ジャパンは「ベンチマークを上回る投資成果を目指します」というファンドだが、こちらはあまり差がない印象だ。(設定来は期間がそれぞれ違うので無視)
日興はiDeCo専用が別にあり、通常ファンドより報酬信託がかなり低く抑えられており、その分がトータルリターンで僅かに差が出ている。
<表についての共通事項>
トータルリターン(%)表は2024.1.15日現在のSBI証券より引用。
ベンチマークが同じでもカテゴリの平均値が異なるは、投資対象などの運用方法に違いがあり、カテゴリ自体が異なっているからである。

▼結局どうなの?
ベンチマークが同じでも運用成績に結構差が出たりもしたかたちだ。
この記事のきっかけは、TOPIXベンチのファンドで運用欄にベンチマークを上回る投資成果を目指します」と書いてあるのが目につき、どれくらい上回っているのだろう?という興味からである。
まずはそれを調べてみて、他のベンチマークはどうだろうという事で「×× ベンチマークを上回る投資成果」(××はターゲットのベンチマーク名)で検索してみたのだ。
海外物はなぜ「円ヘッジあり」を取り上げたかというと、さしずめ円安終焉濃厚(短期的には終焉濃厚)と昨年秋より拙者は言っており、震災で円安が進行したとはいえ、また、中長期的には円安??かもしれないが、元々の方針からである。
仕事が立て込んでいてあまり検索できていないが、色々なベンチマーク名を絡めて検索してみると面白そうだ。掘り出し物?が見つかるかもしれない。
ちなみに、検索キーワード「MSCIオール・カントリー ベンチマークを上回る投資成果」で見つけたMSCI USAインデックスベンチのファンドで、「三井住友TAM-SMT iPlus 米国株式」というのがある。(比較的新しいので成績比較はまだ無理)

過去のデータではリターンが優秀でも、将来はそれが保証されるわけでもなく、下げ相場になった時に損失も低く抑えられるかどうかは尚更未知数である。
何れにしてもファンドを新たに購入する時は地道な比較に加え、よく検討して決めた方が良さそうだ。